9月30日 石川県小松市で小松全日本鉄人レースが開催されました。
鉄人の部、ロングの部、ショートの部とがあるのだけど
私が申し込んだ鉄人の部はまず自転車で40km 走って山の麓まで行き
そこから 10km の登山。そして 20km 自転車走って会場に戻り
最後にラン18.7km を行なうというものです。

このレースに参加すべく 前日入りしたのだけど
天気はあいにくの台風接近中。
朝早く起きてテレビの天気予報をずっと見ていたのだけど
関西は午後に暴風域に入るとの事・・・。
これは下手をすれば家に帰れなくなるなぁ。
次の日は仕事だし・・・これは棄権して早めに帰った方がいいかな?
トレーニングも佐渡トライアスロン以降 ろくに出来ていないし・・・。
よし今日は棄権して午前中のうちに帰ろう。

そう考えてウェアも着ず、ゼッケンもつけずに
会場の小松ドームに向かいます。
まずは受付で棄権の意思を伝える。
そして置いてある自転車を引き取ってそのまま帰る・・・
そう決めて宿のある粟津温泉から会場の小松ドームまで移動。
棄権する事は決めたのだけど、移動の途中
今回また走っていれば新たなドラマが生まれるんだろうなぁ・・・とか
ここで 棄権というのは逃げではないのか?
・・・ でも台風が来ているんだし帰るしかないじゃないか
とかいろいろ考えていました。

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そして会場到着・・・。
会場に入るとレースの準備をしている選手達や
スタッフ達がめまぐるしく動いています。
棄権すると決めた自分にとっては すごく眩しく見える。
・・・ 自分もあの中に入りたい。

気づくと「お願いしまぁす。」 と受付を済ませてしまっている自分がいました。
うわぁ・・・何やっているんだ俺!
帰れなくなるぞ。明日仕事だぞ。金貰って働いているんだろう。
プロ失格だぞ! 今から引き換えして棄権すれば取り返しがつくぞ・・・
そうは頭の中で考えるものの、まったく そんな気になれない。
はは・・・社会人失格だな。
でも 今は目の前にあるレースに出たい。
帰れなくなったら、その時はその時・・・。

そこから急いで更衣室に移動して
ウェアにゼッケンをつけ、レースの準備を整えます。

宿を早めに出た事もあってか
少し時間があったので、マッサージやテーピングのサービスを
やっていたので そこを利用しました。
スタッフの方が相談に乗ってくれ、足にテーピングを巻いたり
マッサージで体をほぐしてもらったりしました。
最後は「靴下うまくはかないとテーピングはがれてしまうんで・・・」
と靴下まで履かせてもらったりしました。
ここまで親身になってやってもらえるなんて・・・
スタッフ達の温かさに感動。

そして いよいよスタートの時間。
台風が近づいてきているという事もあり
雨が少し降っていました。
心配していた登山ですが 通常通り行なわれるとの事・・・
せっかくこのレースに出るからには やっぱり山登りたいよな・・・。

スタート前は昨年の勇松賞(地元で最高成績保持者)を取った
町田選手の音頭で「がんばろう」三唱を行ない選手達のモチベーションも高まります。
そしてスタート・・・
最初はバイク・・・ 一斉に100人を越える選手達がスタートします。
この鉄人レースはトライアスロンと同じく
ドリフティングは禁止されているのだけど
バイクが一斉スタートという事もあり どうしても集団として固まってしまいます。
路面が濡れている事もあり時々水しぶきが顔にかかります。
ほとんどの人が一つの集団の中で走っているのだけど
距離が進むにつれて 集団から離れていく選手達も出てきました。

5km 程進んで自分はまだ先導のバイクが確認できる位置・・・
だけど後ろを見ると誰もいない。
先頭集団も少しずつ人数が減ってきました。
登りがあったら自分も引き離されていくんだろうな。
でも今はまだついて行ける。

10km を過ぎるとずば抜けて速い人がいるのか
先導のバイクがだんだん小さくなってきました。
それでも自分はまだ最初の集団(2位集団?) の位置をキープ。
序盤では少し息切れもしていたのですが
この辺になると呼吸も落ち着いてきました。
しかし集団の中の走行は慣れていないせいか、精神的にかなり疲れます。
時速 30km を越える中 自転車が密集して走っているので
接触でもしようものなら それは無事では済まない。
全然 気を抜けない緊張感・・・。こんな状態で長時間いるのは初めての事です。
途中 最初に「頑張ろう」三唱の音頭を取った町田選手をすぐ近くにみる事ができました。
昨年の勇松賞の選手・・・こういう選手と同じ位置で走っているなんて・・・
ちょっと感動。やっぱりこのレースに出て良かった。

コースの途中ではところどころ応援してくれる人達もいて
余裕があれば手を振って応えます。
(何しろ気が抜けないので 余裕がない時もあります。)

そうこうしているうちに 35km 地点・・・
最初のゴールまであと 5km。
このまま最初の集団の中をキープしたまま辿りつけるか?
・・・ と思ったら だらだらとした長い登りが現れました。
うわぁ とうとう来た・・・。
ここで集団が二つに分かれます。
登りで速いペースを維持する集団と、ペースを落とす集団。
私はもちろんペースが落ちた方側。
しかし それほど二つの集団が離れないうちに下り坂になったので
前の方の集団を確認する事ができました。
得意の下りとは言っても そこは流石に登り坂前までは
トップの方を走ってきた集団。
なかなか前に出る事ができません。

でも途中 前方にスペースが開いたので
下り坂の中、ダンシングで一気にスピードを上げます。
そして後方集団から離れ 前方集団の中へ・・・。

そして最初のバイク終了。
トランジションにはまだ全然バイクが置いていない。
今までトライアスロンでスイムが遅くて
バイクに乗る時にみんな既に出ていて
周りにバイクがないという事は何度もあったのだけど、
バイクを降りる時に周りにバイクが全然ないというのは
初めての経験。

そして靴を履き替え、次の登山を目指します。
トランジションにはエイドステーションがありました。
しかし 先頭集団になるとあまりエイドステーションには
長居しないんですね。
私がバナナやオレンジを食べている間
何人か人が通りすぎて行きました。
そして私も補給が終わってからチェックポイント通過。
次はこのレースの名物 登山。

この時点でタイムは 1:10:06
順位は 100人中13位。(完走者のみの順位です。)

そして次はこのレースの名物・・・10km の登山。
この辺まで来ると雨はやんでいました。
最初は舗装された道路を走ります。
最初のバイクではかなり前の方で来たけど
ランにかけてはまぐれでも前に行く実力はないので
ここでどんどん抜かれていきました。
でも最初の3km くらいはあっという間に来たので
これなら 10km はすぐじゃないか? と思ったのもつかの間・・・。
そこから本格的な登山道に入ります。
登山道直前にはエイドステーションがあったので
補給をしておきます。
近くの人が柄杓で頭に水をかけていたので
自分も隣で柄杓でくみ上げ、頭にかけると・・・
なんか甘い。しまった スポーツドリンクをかぶってしまった。
ボランティアの皆さんごめんなさい。
ここのエイドステーションではボランティアの方に
「リュック大丈夫?」と聞かれたので
「大丈夫です。写真撮りたいので・・・」と答えて先に進みました。
登山道に入ると間もなく カウンターで通過人数を数えている方がいて
「40番目」と声をかけられました。
やっぱり大分順位が下がったなぁ。

最初はスピードを上げて懸命に登っていたものの
あっという間に息が切れてしまって
後ろの人にもどんどん追いつかれてしまいます。
ここに来ると道がせまいので 脇に避けて先に行ってもらいます。
途中では野尻湖トライアスロンでこのレースを教えてくれた方にも
抜かれて「頑張りましょう」と声を掛け合いました。

登山道は結構急でところどころ
ロープを使わないと上に行くのが厳しい場所が
何箇所もありました。
そして雨は上がっているものの
ところどころ滑る箇所があるのも体力を奪います。
でも上に行くにつれて景色が良くなってくるのは
山のいいところ・・・。
疲れても登ってきて良かったなぁという気持ちになります。

登山道もところどころ応援してくれている人がいました。
中には「肉の分ハンデ背負っているな!」なんて事を
冗談口調で言われました。
えぇ。背負っていますとも・・・。

それでもひたすら上へ・・・
そして山頂到着♪

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山頂にもエイドステーションがあって
ボランティアの方が水や食べ物を配っていて
温かく迎えてくれました。
「ここまで下から登って来られたんですか?」
と聞いたら「自分達は下から来ただけだから大した事ないよ。
それよりあなた達の方が大変だよ。」 という返事が返ってきましたが
これだけの食べ物や飲み物を下から運んでくるのは大変そう。
だって車道も何もないところだし・・・。
本当にこういう人達に支えられてレースができているんだなぁと
思いました。

頂上でのん気に写真を撮っていたら
ボランティアの方に「余裕だな」と声をかけられました。
いや余裕ではないけど・・・せっかく登ってきて見れた景色だからね。
そのボランティアの方からは「顔を洗うか?」と言われて
ペットボトルの水を手に汲ませてもらって顔を洗いました。
「ありがとう」とお礼を言って 今度は下山です。
下山開始後間もない場所にもカウンターで人数を数えている方がいて
「だいたい70番目」と声をかけられました。
やっぱり下がったなぁ。
一人も抜いていない上、多くの人に抜かれたのだから当然か?

登りも急だったけど下りもやっぱり急な斜面。
多少の下りなら重力に任せて降りるけど
これだけ急だと 自分の体重で重力に任せて下ったら
どれだけ脚に衝撃がかかるか分かったもんじゃない。
脚にダメージを与えない様にと慎重に降りていきます。

下りでもやっぱりどんどん他の選手達に抜かれていきました。
・・・ がそのうち 抜いていく人も少なくなってきて
周りに人がいなくなってきます。
これは相当後ろまで下がったなぁ。

そしてやっと山を降りたところ・・・
ここでも人数をチェックしている人がいて「107番」と声をかけられました。
鉄人の部の参加者が120人かそこらだから
(実際に走った人は110人でした。)
やっぱり大分順位が落ちたなぁ。

山を降りたところでは弘法水と呼ばれる
湧水がありました。
ここで顔を洗い喉を潤します。 あぁ! 生き返る。
そして自転車を置いた場所まで・・・。
ここでもエイドステーションによりバナナとか食べて
補給します。
やっと登山終了。

タイムは 1:55:33  順位は100人中100位。
完走者の中では最下位でした。

そして次は再びバイク・・・今度は 20km。
スタートした小松ドームまで戻ります。
スタート直後 すぐに2人は抜いたのですが、
その後は周りに全然人がいなくて一人旅。
帰りは追い越し禁止区域とかもあったのですが
そういうのを全く気にする必要もなし。

行きは集団の中の走行で気が抜けなかったのですが
今回は一人なので気楽なものです。
街頭で応援してくれている人達にずっと手を振っていました。

今回は途中 ちょっときつい登り坂があったのだけど
そこで初めてフロントギアをインナーへ・・・
あぁ きつかったと思って登りきった後
アウターへ戻そうとすると・・・あれ 戻らない。
佐渡の時と同じ症状。
佐渡の時はリアをアウターにすれば戻ったけど・・・
今回はリアをアウターにしても駄目。
仕方がない このままフロントをインナーのままで行くかと思ったのだけど
ギアをガチャガチャいじっていたら ようやくアウターに戻す事ができました。
今度はきちんと整備しておこう。
もうこのレースではフロントはアウターのままいった方が良さそうだな。

会場も近づいてくると既にランに入っている選手達を見る事ができました。
よしゴールまであと少し・・・。
会場近くになると何人か抜く事ができて
少しだけ順位を上げます。

そして小松ドーム到着。
最後はラン。
ヘルメットを脱ぎ、靴を履き替え準備をします。
すると審判の方に声をかけられ、
後ろ側のゼッケンが取れかけているという事で
安全ピンをつけ直してもらいました。

そしてドームの中を走りラン開始。
チェックポイントを通過します。

二度目のバイクの成績は
0:42:14 順位は100人中47位でした。

小松ドームを出てすぐの所にエイドステーションがありました。
ここには今までなかった梨があります。
食べてみたけど凄く美味しい。
ついつい食べ過ぎてしまいました。

そこから走り始めるとペースは 7分/km ちょっと。
なかなかのペース。でも登山でダメージを受けたのか
時々足首に痛みが走ります。
あと腿も痙攣している感じ・・・でも佐渡の時ほど脚が動かない訳ではないので
それを心の支えに先に進んでいきました。

ランはところどころエイドステーションがあるのだけど
エイドステーション毎に違う食べ物が用意してありました。
ある場所では梨、ある場所では葡萄、後は笹寿司とかそうめんとか・・・
なんか美味しくてついついお腹いっぱいになるまで
食べてしまいました。

ボランティアの方もとても温かくてゼッケン番号から
名前を調べて「○○さん頑張れ!」と名前を読んで応援してくれます。
「京都からありがとう。」なんて言われたりしましたけど
お礼を言いたいのはこちらの方ですよね。

ランに入っても周りにあまり人はいなく
ほぼ一人旅で走っていたのだけど
たまに後ろから人が来ては抜かれていきます。
他の選手と出会うのが前の方に追いつくのではなく
後ろの方から抜かれるのが悲しいところ・・・。
でもそういった瞬間でも 「頑張りましょう」と
お互いに声をかける事がありました。
こういうレースに出ている人達ってみんな素晴らしいよな。

前半は抜かれる一方だったのですが
後半になると前の選手に追いつく事も何度かありました。

途中 60歳くらいのおじさんに追いついた時には
私の姿を見て「おぉ 自転車速かったなぁ」と声をかけてもらいました。
「えぇ 調子が良かったですね。」とか答えて暫くそのおじさんと会話しながら
走っていました。
そのおじさんは もう20回くらいこの鉄人レースに出ているとの事です。
昔のこのレースの事とかいろいろと教えてもらいました。
途中で「ではゴールで・・・」と言葉を交わし再び離れ離れになって走りました。

そんな中 再び会場の小松ドームが見えてきます。
ここまで来たらあと少し。
脚はもうボロボロだけどボランティアの方達の応援が力をくれます。
そしてドームの中に入り ゴール!

タイムは 2:25:01 順位は100人中96位。

トータルで 6:12:54 順位は100人中95位という成績でした。
良い順位ではないけど完走できてすごく嬉しい。

レースが終わってからは更衣室で着替えて
うどんや笹寿司の食券が選手達に配られていたので
それを食べようと向かっていると
レース前にテーピングをしてくれたボランティアスタッフの方に出会いました。
完走した事を伝えると「おめでとう」という言葉を貰って
「脚は大丈夫ですか?」 と聞かれました。
「やっぱりちょっと痛いですね。」 と答えると 「ちょっと待っていて下さい」
と走って湿布を取りに行ってくれました。

本当に人の温かさに触れられたいいレースでした。
一度はリタイアを考えたけど、走って本当に良かった。

ちなみにこの後 京都まで帰ったのですが
サンダーバードは 台風で運休だったものの
ダイアの乱れた普通列車を乗り継いで
何とかその日のうちに京都にたどり着く事ができました。




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